AVANTI ~土曜日が待ち遠しくなる東京一の日常会話~

今日、21歳になりました。20歳はまだ若さを感じますが、21になると少し年を取った気がします。無事に進級したため今年は就職活動もあり、着実に年を重ねていることを実感します。
さてさて、話は変わって、みなさんラジオ聞いてますか?
テレビでいう視聴率のように、ラジオにも聴取率というものがあります。1%を超えれば大人気番組と言われるくらいなので、リスナー数はテレビの視聴者に比べて格段に少ないのが分かりますね。
僕は、中学時代に「爆笑問題カウボーイ」をきっかけにラジオを聞き始め、現在は「伊集院光 深夜の馬鹿力」と「SUNTORY Saturday Waiting Bar AVANTI」を聞いています。前者は伊集院光の信じられないほど面白いトークで構成され、後者はテーマ毎に数人のゲストを呼び専門的な話を聞ける構成となっています。
今回は、そのAVANTIを紹介しましょう。
AVANTIの概要
AVANTIは1992年4月に放送を開始し、2009年4月末現在も放送を続けています。実に17年も続いている長寿番組。僕と4歳違いかとは、ただただ驚くばかりです。
(因みに、番組タイトルであるウェイティング・バーとは、レストランなどに併設されている、人との待ち合わせのためのバーのことだったりします。)
AVANTIの番組形式は一風変わっており、架空のバーが舞台になっています。そして、「そのバーで客が話している内容に、常連の女子大教授が聞き耳をたてる」という形で番組が進行するのです。
トークの内容、すなわち聞き耳をたてる客の会話は毎週変わります。というのも毎回テーマが違い、テーマにあわせて客(ゲスト)が変わるからです。毎回ゲストが変わるのは、そこらへんのラジオ番組となんら違いませんが、テーマが決まっているところがミソなんですね。
どんなテーマがあるのか
テーマ実にバラエティに富んでおり、従ってゲストも非常に幅広いです。いや、本当にスゴイですよ。
例えば、2009年3月14日(Einsteinの誕生日だ!)放送の「ビバ!マカオ1」のゲストは、辻村プロモーションの辻村哲朗さん、コーディネーターのジュリア・シュウさん、東京大学東洋文化研究所教授の羽田正さん、ユナイテッドワールド証券会長の林和人さん、そして博報堂の清水浩さんの5人です。
このゲストを全員知っている方はいるでしょうか? 正直なところ、ゲストの方々には失礼かもしれませんが、僕は1人も知りませんでした。
ですが、それこそがAVANTIの凄まじいところだと思うんですよね。ゲストを1人も知らない、でも、AVANTIなら絶対に面白いはずだから聞いてみる という流れが頭の中でできあがってしまっているんです。
例えば、辻村さんとシュウさんは現地のコーディネーターから見たマカオを語っており、羽田さんは学術的見地から見たマカオの歴史を話しています。そして、林さんはマカオのカジノ事情を、最後の清水さんは香港勤務の経験を活かして「香港からのマカオ」と題した話をされています。
決して有名じゃないけれど、複数人がそれぞれの経験・専門性を活かして1つの事柄に対して違う角度から話してくれる。
こんなことはテレビじゃできないですよね。とりあえず関連がありそうで視聴率の取れそうなタレントを引っぱり出してくるのが精一杯でしょう。
専門性を兼ね備えたゲストの方々ですが、もちろんテーマも変わればゲストも変わります。
2008年11月22日放送「ブーツ」の回のゲストを紹介しましょう。
まずは、CanCam専属モデルの峰えりかさん、セレクトショップ「Estnation」でバイヤーをしている沓間由美子さん、レーサーで小悪魔agehaモデルの神子島みかさん、スタイリストの安藤真由美さん、そしてシューズデザイナーの三原康裕さんです。
マカオの回には東大教授が招かれて、ブーツの回には小悪魔agehaです。ここまでテーマに合わせて柔軟にゲストを変えていくのは本当に凄いなと思いますね。
興味がある方は「過去の放送リスト」に目を通してみて下さい。絶対に興味のあるテーマがあると思いますよ。
サントリーの一社提供
サントリーの一社提供で17年続いているわけですが、なるほどこれはサントリーにしか出来ないなと思わせることが1つあります。何か分かりますか?
答えはCMです。
土曜の17:00になった瞬間に80.0MHzの周波数から聞こえてくるのはCMです。ですが、そのCMから番組はスタートしているのです。僕が録音していた2007年8月11日放送の「凄いガラス」の回のCMを例にとって説明しましょう。
(ナレーターが話し出す)
世界最高峰のビールを造りたい。
ある醸造家の夢が、このビールの出発点でした。(バックにマーチングバンドのスネアの音が流れ出す)
その醸造家は単身ヨーロッパに渡り、沢山のミニブルワリーと出会います。
そこでは、日本の大規模なブルワリーとは違い、それぞれが個性的な味を生み出していました。
1989年、武蔵野ビール工場内にミニブルワリー開設。
そのとき、その醸造家の夢への第一歩が始まりました。(Shall we danceのテーマ曲(instrumental)がトランペットの音と共に始まる)
その醸造家が知識と情熱の全てを注いで開発したビールが、今年も世界の舞台で賞賛されました。
(会場の拍手の音が入る)
モンド・セレクション3年連続最高金賞受賞、サントリー、ザ・プレミアム・モルツ。
(ザ・プレミアム・モルツを飲む音が響く)
これが、最高金賞品質。
via:2007年8月11日放送「凄いガラス」
いざ、こうして文字にしてみると良さが上手く伝わらないことに気づいたわけですが、まぁこれがなんとも番組の雰囲気に合うわけなんですよ。ザ・マッカランのCMとか本当に最高です。(知りたい人は番組を聴いてみよう!)
サントリーは、ビールを始め、様々なリキュール、そして有名な国産及び海外のウィスキーを販売しています。そしてAVANTI舞台はバー。絶妙な組み合わせです。このペアだからこそCMも含めて1つの番組になっているのでしょう。
書き忘れていましたが、ゲストの話が終わる毎に流れるジャズの選曲も最高です。
3日間だけ出現する本物のAVANTI
架空のバーと書いてきましたが、実は年に3日間だけ本物のAVANTIが出現します。
なんと、夏の麻布十番祭りに出店しているのです。
毎年メニューは変わっていたと記憶していますが、基本的にはペンネなどのイタリアン。そしてワインやスパークリングワインなんかもあります。去年だか一昨年に「ボウモアのシャンパン割り」なんてメニューがありまして、それはそれは心惹かれたものです(そのメニューだけが18:00から提供で、時間的に注文できなかったのが本当に悔やまれる・・・)。
人混みがすごい麻布十番祭りですが、金曜の夕方16:00位に行くと人も少なくオススメですよ。何より、他の出店の料理より圧倒的に美味しいのが最高です!
Podcastもあるよ!
2006年4月から、AVANTIは厳選した過去のトークをPodcastで毎週配信しています。
ラジオはやや敷居が高いと感じる方は、まずはPodcastのAVANTIを聞いてみて下さい。絶対ラジオが聞きたくなりますよ。
iTunesのAVANTI紹介ページへのリンク(iTunesが起動します)
リスナーとしての提言
とまあ絶賛の嵐を浴びせかけてきたわけですが、1つだけ不満があります。
それは、過去の放送が聴けないことです。
テレビであれば人気番組はDVD化されますし、Webサイトで有料放送するなどしていますが、ラジオはこれがほとんど無い。そのため、ここまで良質な番組なのに過去の放送が聴けないわけです。もちろん、Podcastは精力的な試みだと思うし、実際に多数のリスナーから好評を得ています。
ですが、Podcastでは毎週1人の話しか収録されていません。無論、Podcastで全てを配信してしまうとラジオからリスナーが離れてしまうでしょう。だったら有料でCDにするなり、データ自体を販売しては如何でしょうか。
テレビ番組に比べて時間あたりの容量が低い分、インフラ代も安くすむと思いますし、CMも含めて売れば宣伝にもなります。それでもインフラ代がバカにならないというのであれば、オーディオブックとしてiTunes Storeで販売するのも1つの手でしょう。悪くない提案だと思いませんか?
一つだけ、約束してください
ゲストの話に聞き耳をたてる教授が、店に入る前(番組が始まる前)に言う名台詞とともにこのエントリを締めたいと思います。
一つだけ、約束してください。
今日これから行くお店をむやみに人に紹介しないって。
よろしいですか?
では、参りましょう。
東京は元麻布、仙台坂上を上がったあたりのイタリアン・レストラン「AVNTI」。
我々が行くのはそこのウェイティング・バー。
土曜日の夕方の常連客が織りなす東京一の日常会話、聞き逃したくないばっかりに、つい足が向いてしまうんです。
さあ、着きましたよ。私が扉をお開けしましょう。


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