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~Adventures of a Curious Character~

疑問を抱くことから全てが始る [書評] 質問する力

質問する力 - 大前研一

大前研一さんの「質問する力」を読んだ。

以前読んだ「即戦力の磨き方」にも、「質問すること」が如何に重要かと言う事が切々と書かれていたのだが、本書ではより多くの具体例を交えて、それが書かれている。

目次

  • 1章 地価の下落は予想できた
  • 2章 1985年から世界は変わった
  • 3章 シンガポールの奇跡
  • 4章 質問せよ、さらば開かれん
  • 5章 「質問する力」を育てる
  • 6章 説明する力
  • 7章 解答を考える

と言う構成になっている。

章ごとの要約

1章では、1991年1995年の間に政府や住宅金融公庫が「今こそ住宅の買い時」と煽った理由、それに併せて93年、94年頃から「自己責任」という言葉が出てきた理由を説明しており、「こう考えれば予測できた事態である」と、具体的な質問と分析が明記されている。
2章では、「ゴルバチョフの登場」、「プラザ合意」、「ウィンドウズ1.0の発売」という3つの出来事を3大変化とし、1985年から如何に世界が変わっていたのかを解説している。
3章では、シンガポールの「他国と持ちつ持たれつの関係を築く」巧みな外交戦略を、多数の具体例を交えながら説明している。
4章では、「年金をあてにして生活しない(単行本第1刷は年金問題が露呈する前の2003年である)」、「『株価が下がって大変だ』と報道されているが、そんなのは国民にとって殆ど関係のない」、「『不良債権の処理』をしたところで景気は良くならない」、「北朝鮮のミサイルを恐れる事は全く論理的ではない」など、30にも及ぶ様々なジャンルの具体例を挙げて、質問することで如何に違う世界が見えてくるのかが書かれている。
5章では、これまで何回も出てきた「質問する力」を育てるにはどうすればいいのかを、「教育」と言う見地から解説している。
6章では、「解説すること」の有意義さについて書かれていると言うよりも、「質問すること」が「分からないこと」をはっきりとさせ、「理解」に繋がるのだ。と書かれているように感じる。
7章では、「質問すること」で設定できた問題を、どのように解決するのか。について書かれている。本書のタイトルが「質問する力」なだけあって、本章の要領は短いが、それでも示唆に富む内容となっている。

インパクトがある部分

ネタバレになるのかもしれないが、本書はラブストーリーでもなければ、結果を知ったら台無しになるミステリでもないので、インパクトがある部分を、具体例の多い4章から要約し、2つ紹介しようと思う。

 

-株価が下がっても、ほとんどの国民は困らない-

本書で言及されているのは2002年の10月、日経平均株価が8000円台半ばまで急降下したときのこと。
当時政府は、株価が下がったのを受け、総合デフレ対策と称して、あわてて産業再生策や雇用対策を組み、さらには日銀が銀行の保有する株を買い上げたりもした。
しかし、ここで質問してみよう。「株式市場が落ち込むと、何がまずいの? 誰が困るの?」と。

あなたは株を保有しているだろうか? 周りの人を見てみて、みんな株を保有しているだろうか?
金融、証券、保険などの会社に勤めている社員でも半分は持っていないだろうし、それ以外の会社なら社員の1~2%も持っていないのではないだろうか。
そう、 「株価が下がっても国民に影響しない」 のである。
では、テレビに出ているアナリストがやたら騒ぐのは何故だろうか?
答えは簡単。「彼らが大量に株を保有している会社に勤めているから」である。

さらに、バブル時に彼らが「まだまだ株価の値段は上がります!今が買い時!」と口を揃えて騒いでいたのは何故だろうか。
証券会社は、株の売買での手数料で儲けているからである。

-北朝鮮の暴発を恐れてはいけない-

拉致家族が日本に帰ってくる前も、そして2008年の今でも、日本の政府、国民は北朝鮮のミサイルに怯えている。
「そりゃ、突然ぶっぱなしてくるかもしれないんだから、怖いに決まってるだろ!」と思われるかもしれない。
そこで、こう質問してみたい。「では、なぜ日本は高い税金を払ってまで米軍を日本に駐留させているのか?」

日本がアメリカに払っている、駐留経費は2007年で6100億円。日本にいるアメリカ兵1人あたり1300万円(!)だ。
ここまでの大金を支払っているのは何故だったか考えて欲しい。単にアメリカのご機嫌を取るためだろうか?
答えは否。「有事の時に守ってもらうため」である。
なのに、政府は北朝鮮相手に弱腰、国民も不安に駆られている。核兵器を恐れないために、アメリカに税金を支払っているのだ。

まとめ

「章ごとの要約」からも分かるように、最初から最後まで「質問すること」の大切さが語られていて、その重要さが身に染みた。
質問することで、これまで当たり前のようにニュースや新聞で語れれてきた、「前提条件」そのものが間違っているのかが分かるのだ。
一般人はマスコミの情報を真に受ける。一方、ネットを中途半端にやっている人は、「マスコミの情報=全てウソ」、「ネットの情報=隠れた真実」と思いがちだが、しかし、両者共に間違っている。

テレビ、ラジオ、新聞、口コミ、ニュースサイト、個人のブログ。ありとあらゆる角度から情報が入ってくる時代だからこそ、どの情報が正しくて、どれが間違っているか。それを見極める必要がある。これはどこかで聞いた事のある台詞だろう。
この台詞は真実だ。しかし、どのように見極めればいいのだろうか。

その方法こそが、「質問すること」なのだ。
質問する→考える、分析する→自分なりの答えを出す。
政府が平気で国民を利用とする今だからこそ、このプロセスが大事なのだ。(昔からかな?)

慣れないうちは、面倒くさいかもしれないが、明日の朝刊の記事、テレビのニュースに質問を投げかけてみようではないか。
では、どんな質問を投げかければいいのか。
最終的には自分で考えなくてはいけない。しかし、いくつかの(高品質な)例が本書の中にある。



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